<募集内容>
IRプリンターを世の中に普及させるための、これまでにない新たな活用のアイデアおよびビジネスモデル
※ビジネスモデルの検討が難しい場合は、“活用アイデア”のみのご提案も可能です。
<募集内容>
※ビジネスモデルの検討が難しい場合は、“活用アイデア”のみのご提案も可能です。
IR(Infra-Red)プリントとは、「赤外線」に反応する特殊なトナーを使った印刷技術です。赤外線は、人間の目で見える可視光線よりも波長が長いため、通常見ることができません。
この性質を利用した、無色透明の「IRトナー」を使う「IRプリント」技術は、白紙はもちろんカラー写真やイラストの上に印刷することができます。IRトナーで印刷された文字や図形は、赤外線を読み取るための専用の「リーダー」を通さなければ認識できず、UV(紫外線)方式のプリントと異なり、ブラックライト等を当てても目視することはできません。この特性は、紙幣や行政機関が発行する証明書の真贋判定などに活用されています。
しかし、これまでの「IRプリント技術」には、印刷するために専用の大規模なプリンターが必要とされており、一般的なビジネスシーンなどでの活用が制限されていました。
そこで株式会社リコーの研究チームはこの課題を解決すべく、今回のテーマ技術である「IRクリアトナー」とその専用印刷機である「IRプリンター」を開発しました。
従来のIRプリント技術においては、大型の専用プリンターを利用することが前提とされており、導入コストも高額であったため、一般的なビジネスシーンなどでの活用が困難でした。
今回リコーが開発した「IRクリアトナー&IRプリンター」は、【小型プリンター】(専用機)の中に、IRクリアトナーをセットすることで【IR+カラーの同時プリント】を実現し、圧倒的に手軽にIRプリントを利用することが可能となりました。
一般的なQRコードを用いたセキュリティカードの運用には、簡単に複製されてしまうリスクがありました。一方、IRプリントした印刷物は赤外線が読み取れる特殊なリーダーでのみ認識できるので、コピー機や写真撮影を使った複製を防止することができます。
またその特徴ゆえに、デザインに制約をかけることなく写真や文字に重ねて情報(QRコードや文字等)を埋め込むことが可能です。
例えば、非接触型のICチップを埋め込んだカードなどを活用したセキュリティの構築は、システムや機器の調達、構築など比較的高コストになってしまいます。また、導入後も専門のスキルが必要となる業務が発生することが多くなっている現状があります。今回のIRプリント技術では、小型カラープリンターで紙出力するだけなので、管理・廃棄の面で手軽で、かつ低コストでの導入・運用が可能です。
この画期的な「IRクリアトナー&IRプリンター」に対して、例えば以下のような用途への応用がすでに想定されています。
・証明書類
・チケット類
・ホテルなどのインスタント鍵
・入館証、入門証
・部品やブランドの管理ラベルへの活用
※上記の例に当てはまるアイデアであったとしても、驚き溢れるアイデアがあれば、ぜひご投稿ください。
今回は、この製品を活用することで「どんなお客様の」「どんなニーズを」「どのように満たすのか」という活用アイデアおよびビジネスモデルを募集いたします!
※ビジネスモデルの検討が難しい場合は、“活用コンセプト”のみのご提案も可能です。
※期待される用途として挙げているQRコードの印刷だけでなく、それ以外の図柄も印刷可能です。多様なアイデアをお待ちしております。
今回対象となるIRプリンターの製品仕様は以下の通りです。
*1) 対応用紙
<給紙トレイ>
最大A4縦位置:(W)64 - 216 mm / (L)148 - 356mm
厚さ: 48 - 140 kg
<手差しトレイ>
最大A4縦位置:(W)64 - 216 mm / (L)127 - 1,260mm
厚さ: 48 - 140 kg
*2) 想定本体情報
寸法:(W)400 x (D)515 x (H)387 mm
重量:約33kg (本体のみ、消耗品を含む)
対応OS: Windows®︎10
また、これまでリコーにて実現不可能・困難であると判断された例は以下の通りです。
・ブランドのバッグや服そのものにQRコードを印刷し、真贋判定に活用するアイデア
→今回の技術は、前述のIRプリンターを活用することを前提としており、紙類(A4サイズ以下)以外(革や布など)へのプリントは基本的に不可能です。
・スマートフォンのQRコードリーダーカメラを使って、ポスターなどにステルス印刷された隠れたQRコードを読み取るアイデア
→スマートフォンのカメラでは、IRプリントされたものを感知することができず、専用のリーダーが必要になります。
・IRプリンターをリコー社自身が活用し、印刷事業等を行うアイデア
→リコー社としては、IRプリンターおよびIRクリアトナーの販売に繋がるアイデアを模索しており、印刷事業等については大きな収益が見込めるより画期的なアイデアが必要となります。
• 商品化までのプロセス
ビジネスアイデア(用途アイデア・ビジネスモデル等)案の【投稿締切は2019年11月25日(月)】です。
• 説明会開催予定!
2019年10月4日(金)19時〜渋谷エリアにて、リコーの研究員から技術についての説明会を開催します。ぜひご参加いただき、積極的なご質問をお待ちしております。
参加お申込みはこちらから(外部サイトに遷移します)。
その他、ご質問等があればコメント欄にご入力ください。
皆様のご参加を、心よりお待ちしております!
先日、本募集に関する説明会を実施致しました。
多くの方にお越し頂き、皆様から様々な興味深いご質問を頂戴しました。
皆様からお寄せいただいたご質問及び株式会社リコーによる回答を、下記に掲載させて頂きます。ぜひご参考下さいませ。
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Q1: バーコードなどを読み込むIRリーダーは普通に流通しているものですか?
A: QRやバーコードを読むIRリーダーは、リコー社ではありませんが、量産はされています。
Q2: QRコードを読み込めるIRリーダーで、どんな形のものが印刷されているのか目で見ることはできますか?
A: バーコードやQRコードを読み込むIRリーダーでは、目視することができません。形を目視する場合は、赤外線カメラが必要になります。
Q3: これを仮にQRコードで活用する場合、どの程度のデータ量を埋め込むことができますか?
A: ドット・大きさ等によりますが、可視のQRコードと全く同じ仕様になります。
Q4:例えば、QRコードなどではなく、普通の文字などを印刷し、IRリーダーで読んだ場合、その画像データから文字を認識するなどの処理は、アプリ等で行う形になりますか?
A: そうです。画像を解析し、文字などを認識するためのアプリが必要になります。
Q5: IRプリントしたいデータは、どのように出力すればいいでしょうか?
A: 例えば、PhotoshopやIllustratorのように、YMCKで元々色を作るアプリケーションであれば、黒の色相にIRプリントしたいデータを出力することで、IRプリントすることができます。Excelなどのソフトについては、RGBで色を作っていますが、開発中の専用ドライバを入れることで対応できるようになります。
Q6: データの作り手側も、Photoshopなどに特殊なソフトウェア等をインストールする必要がありますか?
A: プリンタードライバーさえ入れれば、特殊なソフトウェア等は必要ありません。
Q7:黒のインクをIRクリアトナーに置き換えるとのことですが、黒はどのように表現するのでしょうか?
A: 黒の表現については、YMCの3色を重ねることで表現します。これで、ほぼ一般的なトナーと同じ黒を表現できます。
Q8: 可視のプリントはせず、IRプリントだけプリントできる機器を作ることはできますか?
A: 技術的には可能ですが、今回売り出そうとしているのは、製品仕様にも書かせていただいているA4フルカラー機になります。商品展開としてそのあとであれば、技術的には難しいものではないです。
Q9: すでにプリントされているものに対して、後付けでIR印刷することは、可能ですか?
A: 可能ですが、トナーが反射等で見えやすくなることがあります。
Q9: 写真やシールなどのプラスチック系のものの上に印刷する場合の耐久力はどのくらいありますか?
A: プリンターできちんと印刷できるものであれば、耐候性は問題ないです。理由としては、UVとは違いIRは劣化しないためです。
Q10: IRクリアトナーのトナーとしての性能は、一般的なトナーと違いはありますか?
A: ありません。顔料を変えているだけなので、目に見えない以外の性能(耐久性など)は、全く同じです。
Q11: ビニールなどへの印刷をする場合も同じですか?
A: 同じです。通常のトナーで印刷できるもののレベルで印刷できます。
Q12: 基本的にはトナービジネスで売り上げたいという考えですか?
A: 今回は、特殊な機器になるため、その付加価値として本体価格にも反映したいと思っています。
Q13: イベント会場などその場に来た一人一人にユニークなものをその場でプリントして渡すような使い方は、素材の作成時間的に可能ですか?
A: 可能だと思います。例えば、PhotoshopでノベルティのQRコードを差し替えるなどは、通常のオンデマンドプリントと同じようにできます。
Q14: リコー社の持つ発電ゴムの技術と組み合わせてアイデアとすることはできますか?
A: 発電ゴムについては、まだ研究段階レベルで、活用フェーズには至っていないため、実現が難しいかと思われます。
Q15: 読み取るカメラやリーダーについては、リコー社の方で商品化される考えはありますか?
A: IRプリントされたものの映像を映し出せるカメラのようなものについては検討しています。
Q16:読み取られる紙の方やこんな形で読み取れないのかというリーダー側とセットでのご提案はありですか?
A: ありです。
Q17: ビデオのナイトモード等であれば、IRプリントしたものを映し出すことはできますか?
A: 赤外線を感知するものであれば、映る可能性が高いです。
Q18: 本体価格はいくらくらいを考えていればいいでしょうか?
A: 価格はまだ正確な値段は決まっていませんが、50万円程度になるのではないかと思っています。
Q19:今回のIRプリンターはすでに販売されていますか?
A: まだ販売していません。これから商品化していくものになります。
Q20: 一つのアイデアで、何台くらい売るという目標のようなものはありますか?
A: 拡大していきたい商品ですが、今時点で販売の目標値などはありません。
Q21: 印刷の分解能としては、他のYMCと同じでしょうか?
A: 同じです。
Q22: 染料なのか顔料なのかというとどちらですか?
A: 顔料です。
Q23: 印刷したものを自分で確認したい場合のために、何か方法はありますか。
A: 映し出せるカメラとモニターのようなもの、またIRを読めるQRコードリーダー等はセットにすることを考えています。
Q24:スマホアプリ等で確認できるようにすることは考えていますか?
A: まずスマホカメラでは、IRクリアトナーで印刷したものを撮ることができません。
Q25: 印刷できるものは、紙だけですか?
A: ラベル紙やOHPにも印刷はできます。ただしOHPについては、印刷して不可視になるかについて確認したことがないため確認します。
→後日検証しました。OHPに印刷した際もIRクリアトナーは目立ちません。また、印刷後、赤外線カメラでの確認も可能です。
Q26: フィルター等を使えば見れるという点で、セキュリティ面など使える市場は限られれてくると思いますが、どのような市場を狙いたいですか?
A: 真贋判定などセキュリティの分野だと考えています。理由としては、スマホでは見ることができないため一般の方が普通に見ることはできないからです。
Q27: 赤外線の波長のピークが860nmとのことですが、そのピークをずらすことは可能ですか?
A: 顔料を変える必要があるので、簡単にはできないと思います。
Q28: 吸収する波長のピーク(860nm)をシフトして、850nmや880nmなどを吸収するようにはできますか?
A: 860nmがピークというだけで、850nm等でも吸収します。
Q29: 赤外線カメラで見たときのコントラストを上げたいと思ったときはどうすればいいですか?
A: 濃く印刷することでコントラストを上げることができます。
Q30: IR光は、紙を透過するとのことですが、IRプリントしたものを封筒に入れても認識できますか?
A: できます。
Q31: 同じプリンター2台あれば、片方のIRプリンターで作ったものを偽造できますか?
A: 全く同じプリンター持っている方であれば、偽造は可能ですが、一般の方には難しいというレベルです。
Q32: IRカメラで見ると、白とグレーで映っていましたが、中間の色を出すことはできますか?
A: コントラストについては、トナーの濃淡で表現することができます。
Q33: 光の反射等で見ることはできませんか?
A: 基本的には見えませんが、トナーも完全に無色ではないため、真っ黒な紙の上に印刷をすると見えてしまいます。
Q34: プリンターの用紙の大きさとして、サイズはどのくらいまでを想定していますか?
A: 最大はA4・最小A6サイズまでは印刷できます。また、DVD盤面などへの直接の印刷はできません。
Q35: Tシャツプリント用紙などに印刷し、それをTシャツに転写することも可能ですか?
A: おそらくできると思いますが、確認いたします。
→後日検証しました。Tシャツ上で画像が裏返らない方法(市販のアイロンプリント紙)で転写すればステルスプリントは可能です。
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s18t047
s18t047
サーモグラフィカメラは赤外線を読み取るのですが、このプリンタで透明印刷されたものはどのように映るのでしょうか?
私の知っているサーモグラフィカメラは温度によって表示される色が変わるのですが、どの温度域に表示されるのかが知りたいです。
川隅正則
サーモグラフィカメラでにて、印刷物を確認したのですが、ステルス印刷している部分としていない部分で、区別することはできませんでした。サーモグラフィカメラの詳細は詳しくはないのですが、画像部と非画像部で、赤外の反射強度差が小さいのではと思います。
色は、測定する対象物温度によって変わると思いますので、固定の温度域(色)での表示ではなく、その時の温度の色で表示されていました。
s18t047
非常に参考になりました。
早急な対応をして頂き大変ありがとうございます。
フルswimmer
IR専用のカメラというのは、お値段はいくらくらいなのでしょうか?
また、専用カメラによって読み取られた文字は、どのように表示されるのでしょうか?
川隅正則
専用カメラの価格は、幅があります。1万円〜数十万円程度です。
カメラのモニターに表示されますが、モノクロでの表示になります。カラー表示はできません。
よさく
1.IR印刷を検出するためには、印刷面に高出力の赤外線を当てる必要がある(太陽光程度の赤外線量ではダメ)
2.赤外線を当てたところで肉眼では確認できない。
3.IRプリントのトナーは赤外線の大部分を吸収する、または反射する(印刷部と非印刷部の反射量の差から像を検出する)
という解釈で合っているでしょうか。
川隅正則
1.高出力の赤外線は不要です。太陽光程度で十分です。
2.赤外線を当てても、肉眼では確認できません。
専用のカメラが必要になります。
3.IRプリントのトナーは赤外線を吸収します。白紙部は赤外線を吸収しないので、その差を画像としてとらえることができます。(専用カメラにて)
専用カメラに関して
ビデオカメラ/インターフォンカメラなどには赤外線カメラが搭載されているものがあります。夜間モードに使われているものです。 これらのカメラにて、本印刷物の画像は確認することができます。
よさく
白紙との相性が良好な一方で、黒系の紙との相性はあまり良くなさそうな印象ですね。
詳細な解説ありがとうございました。
Fujimasa
・印刷したものの読み取りには、貴社製の専用のコードリーダーが必要でしょうか?
・その場合、コードリーダーは何ができるのでしょうか?コードリーダーでできることを教えてください。(何を印刷して意味があるのか、ということと同義です。)
tomoko.utsumi
リコーの内海です。回答いたします。
Q1)紙厚は48 - 140 kgですので、この範囲の紙であれば印刷可能です。紙以外のプラスチックメディアはある程度の厚みであれば印刷可能です(すべてのメディアには対応できません)
Q2)専用の読み取り装置が必要になります。
Q3)QRコードをIR印刷した場合は、QRコードが認識できます。その他の画像印刷では、専用カメラにて、画像の可視化が可能になります。
よろしくお願いします。
tomoko.utsumi
Q1,Q2を修正追加させていただきます。すみません。ご確認ください。
Q1)A5サイズ以上の台紙に紙製のカードが貼付されたものは印刷可能です。ただし対応紙厚は48~140kgで、それ以上は検証が必要です。
Q2)リコー製或いは他社製の、専用の読み取り装置が必要になります。
Fujimasa
川隅正則
スマホのジャケット(ケース)にIRリーダーを搭載したものがあります。ただ、コストは安くありません。1台数万円するものになります。