先日、株式会社リコー商品企画説明会を実施致しました。
会場がいっぱいになるほど沢山のお方にお越し頂き、皆様から様々な興味深いご質問が飛び交いました。
皆様からお寄せいただいたご質問及び株式会社リコーによる回答を、下記に掲載させて頂きます。ぜひご参考下さいませ。
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Q1:アンテナの寸法を教えてください。
A:1番小さいもので、5mm角くらいです。薄さは、0.2mm位です。
Q2:コイルの巻き方そのものが既存のループアンテナと異なるとのことですが、既存のリーダ/ライターに接触させるときに磁界の向きはどうなるのでしょうか?距離が一定以内であれば、どういう方向でも良いのでしょうか?
A:Tagのコイルにリーダ/ライタからの磁束が通ることで、Tagに電流が流れ通信が成立しますので、リーダ/ライタから発生する磁界ループの中にTagを配置することで通信できます。
Q3:磁力のパワーによって通信の速度などに違いはありますか?
A:時間は関係ありません。ある一定の距離を離れてしまうと通信できなくなり、近づけると通信が出来ます。磁束の多さ/強さは、どれくらい離せるか、ということに関連しています。
Q4:認証される距離において、読み取れる情報は一定の量に限られるのでしょうか?
A:データとして制限はありませんが、タグチップ側に搭載されるメモリのサイズによります。
Q5:リーダ/ライターのサイズに、最大・最小の制約はありますか?
A:例えば改札などは、10cm離れても通信する仕様になっており、決済系では2-3cm離しても通信するような制約になっています。リーダ/ライターとしてあまりに小型のものは恐らく出来ません。但し、個人のローカルのシステムであれば、「接触して使うもの」として売り出せば小型のものでも作れなくはありません。
Q6:アンテナは、どれくらいの電力のやり取りができるものですか?
A:サイズ次第になると思います。
Q7:リーダ/ライタは、街にあるもので何でも使えるのでしょうか?また、どこにありますか?
A:お店の決済端末、任天堂DS、もリーダ/ライタです。ですが、決済するには認証を取った端末が必要です。ローカルのものであれば認証は必要ありませんので、リーダ/ライターは街中に沢山あると言えます。スマホ(Andoroid)にもリーダ/ライタが機能されているので、スマホでも情報を読み取ることが出来ます。リーダ/ライタの自作も構いません。既存に置かれているリーダ/ライタの制約にとらわれずに、ご自身でリーダ/ライタをつくっていただくという発想もありだと思います。リーダ/ライタのサイズは、アンテナのサイズで決まります。それをパソコンとつなぎ、データを転送することも可能です。元々NFC技術は、ペアリングに活用できるのではという考えもありました。BluetoothですとIDが必要であったり面倒があるので、NFCであればタッチするだけでつなぐことが出来ます。(ただし、通信はWi-Fi等でつなぐ必要があります)
Q8:NFCアンテナ同士を接触させて通信あるいは電力のやり取りは可能でしょうか?
A:可能です。アンテナの形を《細く・薄く・曲がる》ものにしているだけなので、既存のリーダ/ライタやタグをこのアンテナに置き換えるのは、すべてに対して大丈夫です。但し既存のリーダ/ライタと同じ通信距離にするためには、同じサイズである必要があります。
Q9:沢山のリーダを横に並べたときに位置情報が分かるシステムを作れますか?
A:可能です。例えばリーダを20㎝間隔に置いたとして、とらえられたリーダの位置にICタグがあるというイメージです。逆に、タグが沢山ある場合はタグのIDを変えておき、リーダが動いた時にどのタグに位置しているか分かるということも可能です。
Q10:中国やアメリカでも(商品を)出せますか?
A:リコーで特許を持っているので出せます。
Q11:ビジネスとして成立するにはどの程度からなのでしょうか?
A:いくらを目指すかにもよりますが、およそ1000円以上~ぐらいで売れるものが開発できれば十分事業になると思います。
Q12:電子レンジなどに干渉してしまうことはありますか?
A:特に心配はありません。
周波数は13メガヘルツと低くなっています。
Q13:身に着けることによる健康面でのネガティブ要素はありますか?
A:特にありません。
Q14:どこまでアンテナのコストは安くなりますか?
A:磁性体、ICチップで価格は決まってきます。磁性体の価格は下がりにくいですが、ICタグだと安くなります。サイズや数量によってですが現時点、下がっても30円~50円ぐらいかと思われます。
Q15:使い捨ては可能ですか?
A:コスト的に厳しいと思われます。洋服などでもICタグは使われているので価格は徐々に下がっていく傾向ですがバーコードなどの紙には勝てないのが現状です。
Q16:プリントして開発できる技術はありますか?また、最終的に燃やして処分ということは可能ですか?
A:現段階では開発中です。
磁性体を金属のまま燃やすのは現段階では厳しいと思われます。
Q17:バンド型の耐久性はいかがでしょうか?また、着けたままでいるのは可能でしょうか。
A:折ってしまうのはNGです。曲げるのは試験を重ねた結果、断線も含めて信頼性上は問題ありません。着けたままでいることは問題ありませんが、着けるときの応力の方が厳しいと思われます。
Q18:アンテナの制限はありますか?
A:ありません。
Q19:立方体のようなものに組み込んだ場合、向きによって検出や感度はどの程度変わってきますか?
A:アンテナのサイズにもよりますが、小さいと通信距離がとれないのである方向でしか検知できないということはありえます。逆にその向きだけ検知できるということも可能です。
Q20:湿度や温度はどのぐらいまで可能でしょうか?
A:0度から85度ぐらいまでなら試験し信頼性上問題ありません。
また、一般的に使われる使用年数、多湿な国程度の環境でも問題はありません。
Q21:ICチップへのデータ書き込みが可能だと思いますが、リングやスマートバンドにした場合、ユーザー様自身が書き換えるといったことはできますか?
A:ICタグの仕様次第で可能です。
Q22:個人で、独自のIDを固有で埋め込むことは可能ですか?
A:可能ですが、大量に作ろうとすると工場のラインがないと厳しいです。
Q23:データの容量はどのぐらいになりますか?
A:ICタグで決まります、数キロバイト程度と思われます。
Q24:バンド型にデータを入れたとしてスマートフォンなどとどのようにしてデータの書き込みや交換は行われるのですか?
A:基本的にはICタグの中にあるあらかじめ書き込まれたデータを読むという使い方になると思いますが、スマートフォンなどをリーダ/ライタとして書き換えることは可能です。センサー取得データをRFID通信で渡すというのはICの機能によりますが可能かと思います。
Q25:ICチップに無線などでデータが入ったとして、流れてきたデータを更に違うリーダに流すということは可能でしょうか?
A:可能です。書き込まれたデータを違うリーダに読み込ませることはできます。
(例:スマートフォンで書き込んで、スマートウォッチで読み込ませることはできます)
Q26:リーダにつけるICチップ自体にコイルが巻いてあるということなのでしょうか?
A:いいえ、5×7ミリの磁性体サイズにコイルが巻いてあるアンテナです。そこにタグチップをつければICタグになりますし、リーダ/ライタのチップをつければリーダ/ライタになるということです。
Q27:リーダ/ライタは電源が必要になると思いますが、その場合はどうすればよいですか?
A:リーダ/ライタの中には電源とリーダ/ライタライタICがあり、そこで使うアンテナがリコーのもので小型化が可能です。
Q28:リーダ/ライタに電池ではなくて例えば磁石を動かすと磁束が発生して電気が起こるものですか?
A:電気は起こせるかも知れませんが、変調信号が送れません。
Q29:圧力にはどの程度耐えられますか?
A:具体的な数値があるか確認させてください。
少し押すくらいなら問題はありません。
Q30:屋外に置きっぱなしにした時などの対候性はいかがでしょうか?
A:外の環境によりますが、気温が高くなりすぎなければ問題ありません。
Q31:通信速度はどのぐらいでしょうか?
A:数kbps程度になります。
Q32:アンテナ単体でコストはどのぐらいかかりますか?
A:50円~100円ぐらいになります。
Tag IC or リーダ/ライタ IC分が別途費用としてかかる形になります。
Q33:セキュリティー面ではいかがでしょうか?
A:ICタグやリーダ/ライタの作り込み次第となります。暗号化したデータをリーダ/ライタで読み/書きするなどでセキュリティ確保できるかと思います。
Q34:小型アンテナをリーダ/ライタとして用いる時に、複数のタグがある場合データとして正確に読み取れるものでしょうか?
A:リーダ/ライタの能力次第になっていますが、通常複数ICタグがあってもアンチコリジョンで読み取ることは可能ですが、限度はあります。
Q35:複数のアンテナを配置することによってプログラミング上でコリジョンを解消することは可能でしょうか?
A:アンチコリジョン性能次第ですが、違うタイプのICタグが反応してしまうと難しいです。
Q36:13メガヘルツとのことですが供給電力を上げれば近接10㎝と言わずもっと遠くまで可能かと思いますがそれはどのぐらいまででしょうか?
A:可能ではありますが、電波法という法律がありますのでそれを侵さない程度にしかできないのが現状かと思います。
Q37:弱点などはありますか?
A:一番は水になります。もし水の中に入れて使う場合はアンテナをしっかりと防水加工しなければなりません。その他、金属の影響を受けます。
Q38:温度に関しては寒暖差は大丈夫なのでしょうか?
A:特に問題はありません。
Q39:リコーさんのプリンターなどに搭載することは考えてはいないのでしょうか?
A:スマホなど生産数量の多い外販狙いで活動していたため、積極的に社内への売り込みをしてなかったこともあり採用はされていません。理由としては小型である必要性がないことと、自前で作る予算と外で買うのとではコストの大差がなかったことが要因だったと思っています。
Co Laki
あるとしたら何℃まで可能でしょうか
tomoko.utsumi
よろしくお願いします。
kevin.yuxie
tomoko.utsumi
Thank you for your question.
tomokomitsuke
tomoko.utsumi
従来のものは渦巻き状で平らなものとなります。スイカなどはカードサイズがアンテナサイズとなります。
ネットで近距離無線通信などで検索いただくとより詳しい情報が得られると思います。
よさく
通信距離を20cm程度まで延長することは、NFCの特性上不可能なのでしょうか?
また仮にそれが可能だった場合、アンテナサイズアップ、通信周波数帯変更など、避けられないであろう課題を差し支えなければ教えて頂きたいです。
tomoko.utsumi
よろしくお願いします。
よさく
ありがとうございます。
Misael Brindis
TRINUS